九谷焼の人間国宝・三代徳田八十吉の略歴・販売・買取・骨董品情報
三代徳田八十吉の作品は釉薬で色彩を調整した鮮やかな群青色に強い個性があります。
緻密に計算されて描かれたグラデーションは、もはや従来の絵柄も必要がない究極の完成形です。
海外にも多くの作品を発表して高い評価を得ており、古九谷の学術研究にも尽力しました。
■三代・徳田八十吉 略歴
1933年、石川県小松市の九谷焼窯元に生まれる。本名・徳田正彦。
金沢美術工芸大学短期大学工芸科陶磁専攻中退。
初代、二代目等に師事。
「九谷焼上絵付」で国の無形文化財に指定された祖父・初代八十吉から古九谷釉薬を、
父・二代八十吉からは富本憲吉直伝の現代陶芸を学ぶ。
35歳で独立してからは家に伝わる釉薬・古九谷5彩のうち、ガラス成分のない赤をのぞいた
紺、紫、緑、黄の4彩を組み合わせて数百もの色を作り出し、
独自のグラデーション表現による彩釉磁器の焼成に成功。
「耀彩(ようさい)」と呼ばれる色鮮やかで美しい作品は現代陶芸界から高く評価される。
1958年、第1回一水会陶芸展初入選。
1971年、第18回日本伝統工芸展で初出品作の「彩釉鉢」が優秀賞・NHK会長賞を受賞。
1977年、第24回日本伝統工芸展出品作「燿彩鉢」が最優秀賞・日本工芸会総裁賞を受賞。
1988年に三代目を襲名。
1991年には第11回日本陶芸展で、大賞・秩父宮賜杯を受賞。
1993年、紫綬褒章を受章。
1997年6月6日、重要無形文化財「彩釉磁器」の保持者(人間国宝)に認定される。
1998年、「燿彩線文壷」が米国メトロポリタン美術館に収蔵される。
2009年、8月26日 没。